今回は、栄養価が高くて、美味しくて、みんなが大好きなバナナのお話しです。
バナナは、バショウ科の熱帯果物です。元来は株が大きな多年草で、マレー半島一体に分布しています。もともとバナナには小豆大の種子が沢山あり、果肉の少ない植物でしたが、品種改良され、種子が無く果肉の多い、現在の果物になりました。
輸入先は、主にフイリピン、エクアドル、台湾などです。
農作物に被害を起こす病害虫が潜んでいる可能性があるので「緑の未熟果実」が輸入され、日本で黄色く熟し市販されています。
バナナを放っておくと皮に黒い斑点(シュガースポット)が出来るのは、熟している証拠。甘みが増して美味しいです。
Pic.1 : バナナ(2024年2月1日撮影)
Nepal Patanの果物屋さんの店先で。ネパールの南の地域で栽培されているモノが販売されています。
Pic.2 : バナナの花(2023年10月18日撮影)
水俣の友人の庭で栽培されていたバナナの先の花と蕾です。東南アジア等では花や蕾も食用にして食べます。
Pic.3 : ネパール、Patanの苗屋さんのバナナ(2024年2月2日撮影)
高さ5mぐらいに大きくなっていました。猿に食べられるか? 収穫し人間が食べるか?
Pic.4 : バナナの蕾(2022年7月24日撮影)国立科学博物館筑波実験植物園の温室にて
バナナの下、果実の先端部分です。
Pic.5 : バナナの果実(2022年7月24日撮影)国立科学博物館筑波実験植物園の温室にて
この果実の先の蕾は、上の写真(Pic.4)です。
Pic.6 : バナナの組織培養(2024年1月21日撮影)
ネパール カトマンズの、KVC大学(Kantipur Valley College)の組織培養室で。
Pic.7 : 市販のバナナの苗(2024年2月2日撮影)
ネパールのPatan(パタン)で、1ヶ月お世話になったMahabuddhaゲストハウスのご主人に、Patan地区の苗屋さんに連れて行ってもらった時に撮影しました。
■バナナの薬効および成分
バナナ(果肉)は、薬用では、性味は、味:甘い、性質:寒。
清熱、腸を潤し解毒する、小児の邪熱を除く、酒毒を消す、胃腸の調子を整える等と「中薬大辞典」には記されています。
成分としては、果実に少量のセロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、植物繊維1.1%、蛋白質1.1%、脂質0.2%、糖質21%、灰分(カリウム)1%、ビタミンA、 ビタミンB類(ビタミンB1, B2, B3, B6)、 ビタミンC、 ビタミンE、葉酸などを含みます。
また、バナナ1本(120g)には、1日に必要なGABAが約半分も含まれます。
朝は胃腸の動きが悪いので、あまりお勧めしませんが、胃の働きが良くなる昼頃から夕方にかけて食べると、消化よく、吸収されやすいです。また、睡眠を促すと言われるGABAの機能性を期待するなら夕方に食べるのがいいかもしれません。お試しください。
バナナの葉には、ポリフェノールや、カテキンが含まれ、抗酸化作用が高く、ストレスの軽減やコレステロールの低下、慢性的な体調不良の改善が期待できると言われています。
また、アラントインや不溶性食物繊維を含み、免疫力を高め、抗炎症作用や抗アレルギー作用、便秘の改善などが期待されます。バナナ葉の今後の研究に期待したいですね。
バナナの仲間、バショウ(芭蕉)の茎の繊維を用いた「芭蕉布」の工房を沖永良部島で見せてもらいました。藍染めの「芭蕉布」は柔らかく手触りがよい布でしたが、高価だったので未購入です。
Pic.8 : バショウの花
熊本市の野外では、バショウはバナナのように果実は太りません。
バショウの花の写真は、矢原の『今月の薬用植物』平成27年(2015年)2月HP参照
沖の永良部島〜島の宝探し〜参照
沖永良部島の薬用植物リスト参照
日本の農産物は、安い外国産におされ、また農業の高齢化で徐々に減り、日本の食料自給率は現在38%(農水省データ)です。結果、単一な加工澱粉や転化糖などを利用した、加工食品や飲料を選ぶ事になり、現在の食生活を余儀なくされ、糖尿病患者の増加などが問題になっています。また、輸入に頼っている食材が、現在の円安で高騰しています。
物価の優等生と言われたバナナや卵。しかし、その卵はコロナ禍中、鳥インフルエンザの大流行で、2倍以上にも高騰し、現在も高止まりのままです。
バナナも輸入に頼っているため、円安で価格が徐々に上がってきています。
バナナは、安いモノで、3〜5本、100円前後だったのが、現在は150〜200円に。実質収入が下がっている日本。あれもこれも高騰で生活が大変です。
このような状況下、今こそ食料自給率をあげる行動に移るべきでは? 現在、日本の農地の1/3以上が「耕作放棄地」です。これらの「耕作放棄地」を無料で借りて田舎で農作業をするのも良いかもしれません。
※耕作放棄地:以前耕地であったもので、過去1年以上作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕作する意思のない土地のことです。
安全安心なモノを自分達で選んで食べることが大切ではないかと感じています。
多様で安全安心なモノを自分達で選んで、耕作して、育てて、食べるべきなのではないかと感じます。
道の駅から、田舎のおばちゃんの漬物、梅干し等が消えそうで、農家のおばちゃん方のエネルギーが益々落ちそうです。地方で生産できる持続可能な、昔ながらの食材を生産し、農水産物を70%自給できる社会を目指し、継続させるべきではないかと感じています。皆さんは如何ですか?
次回は、8月6日(火)投稿の予定です。よろしくお願いいたします。
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