第57回 スイカ
- TAMTAM
- 7月1日
- 読了時間: 4分

蒸し暑くなってきましたね。身体が暑さに慣れていないのに、真夏並みの暑さがやってきて、熱中症にかかるリスクが高くなっています。今年も長い夏が始まりました。皆様如何おすごしですか?
さて、夏の果物といえば、やっぱりスイカ!他にも美味しい果物がいろいろありますが、今回は、ウリ科の果物スイカ(西瓜)を取り上げてみました。
瑞々しくさっぱりした甘さが夏には嬉しいです。
スイカは果肉の大部分が水分なので「水分の多いメロン」という意味で、英語では「watermelon」といいます。
また、漢字では、西の国の中国から来たウリで「西瓜」と書き、音読みの「サイカ」から「スイカ」と呼ぶようになったそうです。
一般的にスイカは6月~8月頃が最も多く出回る時期です。特に7月~8月にかけては全国各地で市場に出回ります。
ただ、旬の時期は産地によって異なります。
熊本県のような温暖な産地では、年末から出荷が始まり、最盛期は4〜5月。
皮の薄い小玉スイカ「ひとりじめ」なども多く出荷されます。
「ひとりじめ」は、1人でも食べ切りやすいサイズです。高い糖度、鮮やかな赤い果肉、シャリシャリとした食感、種が少なく食べやすく人気です。
というわけで、熊本では、最盛期が過ぎる6月になるとスイカが、美味しくなくなります。
➊小玉スイカ(2024年4月10日撮影)
借りている畑で収穫しました。

➋小玉スイカ1/4の果肉・薄い皮(2024年4月10日撮影)

➌スイカ雌花受粉(2022年8月4日撮影)

➍小玉スイカ:ひとりじめ(2022年8月24日撮影)

<スイカの主な効能効果>
味:甘
性質:寒(体の熱を冷ます作用)
帰経(きけい):心、胃、膀胱の経絡に。
※帰経とは、カラダのどの部位や臓器に影響があるかを示したものです。ただ、現在の臓器の機能の考え方とは少し異なります。
薬効:清熱し暑を解く。煩を除き止渇す、小便を利す。暑熱煩渇、熱盛津傷(高熱による体液分泌障害)の改善、小便不利などを治す。
と「中薬大辞典」には記されています。
スイカの果肉の約90%は水分で、熱中症の予防に役立ちます。
残りの10%に機能成分や糖分が含まれます。
機能成分としては、カリウム、シトルリン、アルギニン等が含まれ、利尿、むくみ解消、腎機能改善、疲労回復に、リコピン、ビタミンCなどが美肌に効果があると言われています。また糖分(果糖、ブドウ糖)が多く、甘味があり滋養強壮が期待できます。
また、スイカの皮(白い部分)には、果肉以上に、シトルリン、カリウム、ビタミンCが多く、利尿、高血圧予防、血流改善、美肌、疲労回復などに効果があると言われています。
スイカは、「瑞々しいから」「涼がとれるから」「夏バテ防止になるから」等、
スイカ好きな人は多いですね。ただ、スイカやメロンは水分が多く、体を冷やす作用があるので、寝たきりで基礎代謝の落ちている人には、一段と身体を冷やし、元気が出ないので、寝たきりの方へのお見舞いには避けたほうがいいでしょう。
食べ物には「冷やす物」と「温める物」があります。例を挙げると、身近なシソ科植物「ミント(ハッカ)」と「シソ」は対照的な性質を持っています。
ミントは「寒」の、シソは「温」の性質があります。各々の性質をうまく利用し、バランスの取れた食事に役立てましょう。
最後に 夏を乗り切るための豆知識 を少々!!
●蚊に悩まされていませんか?気温と湿度が高くなってくると、繁殖に適した環境になるため、蚊などの虫が増えてきます。虫刺され、嫌ですねぇ~!また、庭のドクダミもすごい勢いで増えきて、邪魔で困っていませんか。
そこで、ドクダミで「虫除けチンキ」を作ってみませんか。ビワの葉のチンキも
いいですよ。
※生や乾燥ハーブをアルコールに漬け、濾した液をチンキといいます。
詳しい作り方はネット等をご参照ください。
100円ショップで、小さなスプレーを購入し「虫除けチンキ」を入れて、玄関、キッチン、浴室、居間など、あちこちに置いてお試しください。
他に、蚊除けにはハッカの香りもいいですね。また、ナメクジ避けには、ミントやドクダミの地上部をナメクジの通り道に置いてみてください。
●太陽のUV(紫外線)での日焼けを嫌う人が増えています。でも、日焼け止めをし過ぎると、骨がもろくなり骨折しやすくなりますよ。少しは太陽に当たり、カルシウム、コラーゲン、鉄分たっぷりの雑魚(いりこ、めざし、チリメンジャコなどの小魚)を摂り、骨粗鬆症の予防、生活習慣を見直し、美肌を目指しましょう。
●真夏の炎天下でも元気な畑の雑草、小さな黄色い花「スベリヒユ」は、和物、煮物、酢物などにすると美味しいです。民間薬として、消炎、消腫、利尿、歯肉炎、虫さされなどに地上部位を利用します。
●ニンジンの葉、ダイコンの葉には強い抗酸化活性があることが知られています。無農薬の野菜の葉を細かく切り、チリメン雑魚と合わせて加熱し、ふりかけ等で、うまく利用してください。
これからが夏本番。太陽や汗を嫌わず、汗をかける身体を作り、猛暑を上手に乗り切る工夫を、いろいろと試してみて下さい。
皆様のご健康とご活躍をお祈りします。
次回は、8月5日(火)投稿の予定です。どうぞよろしくお願いします。
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