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第48回  カキノキ(柿の木)


カキ(柿)がスーパーに並び始めましたね。今回は柿のお話しです。

柿と言えば、「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句がよく知られていますね。正岡子規が、旅から戻る途中、奈良で詠んだ句で、詠んだ日が10月26日だったそうです。そんなわけで、10月26日は「柿の日」です。

 

また、芭蕉の「里古りて柿の木持たぬ家もなし」と言う句のように、田舎の家にはどこにでも柿の木が植えられており、秋の風物詩の干し柿は、冬場の貴重な糖分原料でした。渋柿の渋抜き(水溶性の渋:タンニン類を、水に不溶の渋に変えること)をし、乾燥して糖分の塊の干し柿を作ります。

 

熟れていない柿は、水に溶ける縮合型タンニン類の「渋」を含みますが、熟してくると重合し、水に溶けない高分子の「渋」に変化します。水に溶けなければ渋味(味)を感じません。もしかすると「渋」は腸内で分解し、小さな化合物になり、素晴らしい効果を示しているかもしれません? どなたか研究していただけませんか!?

 

➊カキ(柿)の花



➋熟すと甘くなる甘柿

甘柿のカキの皮が緑の間は「渋味」が残りますが、橙色に色づくと甘くなります。

手前の橙色の柿は甘いですが、中央の少し緑の柿は、一部渋みがあります。


 

➌渋柿を剥いて干し柿作り(2023年10月4日撮影)

渋柿を分けていただき、皮を剥き、竹に刺して、乾燥へ。

剥いた皮を乾かし粉末にすると、糖とミネラルが多く、砂糖の代わりに料理に使えます。


 

➍干し柿の出来上がり(2023年10月11日撮影)

渋柿を干して、干し柿が出来ました。お菓子の代わりに美味しくいただきました。

私が適当に皮を剥いたので、横縞模様です。



❺渋柿とヒヨドリバナ(2022年10月29日撮影)

高知県の牧野植物園で開催された「天然染料顔料会議」に出席した際に撮影しました。

この渋柿は、 橙色に色付いていますが渋いです。でも果肉が柔らかく、熟すと渋が抜け、甘くなり、鳥さん達が喜んで食べ、種子を違う場所に運び、発芽します。



さて、柿は食用だけでなく、薬用として様々に用いられています。

 

●柿の効用

・ヘタ(柿蔕:シテイ:Kaki Calyx )を、しゃっくり や げっぷ 止めに用います。

乾燥した蔕5〜10g/日に、丁子1g、生姜4gを加え煎じて飲みます。

・葉(柿葉:シヨウ)は、鎮咳、内出血の止血、潰瘍による出血などに用います。

・柿の葉には抗菌性があるので、柿の葉寿司やおにぎりを包むのに用います。

・干し柿を柿餅(シへイ)と呼び、吐血、喀血、血尿、痔瘻、下痢などの際に食べます。

・干し柿の表面の白い粉を集めたものを柿霜(シソウ)と呼び、これを加熱し飴状にしたものを柿霜餅(シソウペイ)と言います。いずれも咽の痛み、せき止めに用います。ただ、風邪の咳には効かないようです。

・完熟した柿は、鎮咳を目的に慢性気管支炎に用います。また、血中のアルコ-ル分を分解する作用があり二日酔いにも効果があります。

・柿渋は、高血圧の治療に用いられていました。

・根は柿根(シコン)と言い、止血、下血、吐血に用います。

・民間薬として、柿の糖分による滋養強壮の他、タンニンなどのポリフェノ-ルでの止血、抗菌、降圧などに利用されています。また、柿渋のスプレーは、インフルエンザやコロナの予防に良いと言われています。

 

●柿の副作用

柿の実(果実)は、性:寒味:甘、食べると内臓を冷やします。

柿が大好きな、ラオスの元日本大使に、柿の実を十個ほど差し上げたところ、食べ過ぎ、夜中に腸閉塞(イレウス)で、緊急入院されました。漢方薬の「大建中湯」が処方され、また、ラオスからの留学生(現在JICAのラオス職員)が、腹を温めてくれたお陰で、無事退院されました。

その後、ラオスに何度かご一緒し、その方が日本大使の際に作った施設などを案内していただきました。

 


ところで、近頃、最近の日本が抱える社会問題が気になっています。

 

田舎の柿の木は、誰も果実をちぎらないまま、鳥、猿、熊などの餌になっています。

昨今、このような自然からの食品が私達の前から少なくなり、保存料がたっぷり入った食品が店やコンビニに並び、多くの方々が美味しそうに食べていることが怖いです。

たまには、市販されている商品の裏を見て、成分表の保存料等を確認してみては如何でしょうか?

 

農業、漁業は「きつくて儲からない業種」と思われ、物価が上がる中でも、農業、漁業産品は「最適な価格で販売されない」。

若い人が就業を敬遠しないようにするにはどうすればいいのでしょうか? 

日本の食糧の危機を感じます。少し苦労しても安全安心な食を守るために、価格なども含め、対応すべきではないでしょうか。そして、自然の恵みに感謝したいですね。

 

今年は、南海トラフの地震警報などのせいで、米の買い占め、報道も過剰になり、米不足と言われました。8月に入れば新米が出てくるのに「令和の米騒動?」と、一部で品薄に。主食の米価格(農家の労働に対する正当な対価での販売)の安定が必要です。

 

株価が上がっていますが、一般の方には、ほとんど恩恵が無く、円安により価格高騰の被害はボディーブローで効いてきます。

 

最低賃金 時給1,000円になっても、物価が高騰しているので全く追いつきません。

物価が上がる中、食品等の適正価格販売について、きちんと報道されていません。

 

扶養者の収入制限がアップされないので、時給が上がっても、アルバイト時間は減るばかり。結果、人手不足。人口減少が止まらない日本で、外国人労働者の力は必要不可欠ですが、外国の方に安い給与で働いてもらうということにも、大いなる疑問が生じざるを得ません。

 

日本の1億総中流社会は崩れ去り、低流階級社会に。どうすれば生活を守れるのでしょうか? 国民年金だけだと二人で「月12万」ぐらい。一人になると「6万円」。わが国には、このような方々が何百万人もいるのです。猛暑で熱中症になるからエアコンを使えと政府やマスコミは言いますが、食費もまともに出せないのに、電気代までは無理。

一カ月どうやって生活するのでしょう? ただ、生きていればいいのでしょうか?

 

オーバーツーリズム(観光公害)対策の財源を、税金で運営する施設を無料で利用するインバウンド(外国からの観光客)から、一定額を徴収すべきではないでしょうか。

 

皆さん、日本の社会について、ぜひ考えてみてください。「はて?」「なぜ?」と、問題意識を持ってください。 ドクトルしょうちゃんの「日本の未来を憂える」独り言でした。

なるべく安全安心な食生活を送り、ストレスは少なく、元気で楽しい毎日をお過ごしください。

 

次回は、11月5日(火)投稿の予定です。よろしくお願いいたします。

 

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