今月は、ヒガンバナ科(旧 ユリ科)のニンニク(大蒜)です。
ニンニクは好きですか? おそらく「好き」という人が多いと思います。ただ、食後のにおいが気になり食べない人もいるようです。
このニンニクの特有の香り、ニンニクの夏バテ予防効果等についてお話しします。
薬用部位は鱗茎で、乾燥したものを大蒜(たいさん)といい、味:辛、性質:温、疲労回復(滋養強壮)、食欲増進、便秘の改善などに用います。
また、ニンニクは、鱗茎の他に、若い葉、花茎も食用として利用します。
➊ニンニクの地上部(1月10日撮影)
➋収穫し、干したニンニク(2024年8月21日撮影)
➌ニンニクの芽(2024年1月24日、ネパールの野菜屋さんで撮影)
➍ニンニクの花から発芽(2024年6月1日撮影)
❺ニンニクの畑(2024年2月4日、ネパールで撮影)
猛暑の連続で、9月に入っても暑い日が続いています。冷たいものを取りすぎて胃が弱り、夏バテかなと感じている方も多いと思います。そのような時は、胃を温める優しい食べ物や消化の良い栄養のあるスープが良いと思います。それらに滋養強壮のあるニンニクを少し入れるのもいいでしょう。
ただ、余り食べ過ぎると身体の中に熱が溜まり、頭痛、嘔吐、逆上せ(のぼせ)の症状が出ることがあります。特に子供は新陳代謝が高いので、食べ過ぎると、鼻血、逆上せ、集中力の低下などが起こります。子供が食べ過ぎないよう注意してください。
また、生ニンニクを常食すると、血液が壊れ貧血になるというデータもあります。たまに食べるのは良いとしても、毎日、沢山食べるのは控えた方が良いかもしれません。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」ですね。
●ニンニクの香り成分と甘み
ニンニクには、特有の香り「アリシン」などの硫黄化合物が含まれています。
ニンニクの鱗茎を切ると細胞が壊れ、内在酵素の「アリナーゼ」により、無臭の「アリイン」が変化し、ニンニク特有の香り「アリシン」になります。
アリシンは、ニンニクやネギなど香りの強い野菜に含まれている香気の硫黄化合物です。
ニンニクを、ミジン切りや、すりおろして細胞が壊れると、香り成分のアリシンが増えます。なお、ニンニクは加熱すると糖分が増え、Brix(糖度)が30ぐらいになり、大変甘くなります。
●ニンニクの効果
アリシンは「疲労回復効果」「風邪に対する抗ウイルス作用」「食欲増進効果」「血液循環を良くし有害物質を体外に排出する効果」「感染症を予防する効果」等があると言われています。また、ニンニク等のアリシンが含まれる植物が傷ついたとき、アリシンの強い抗菌・殺菌作用が、鱗茎へのカビや細菌の侵入を防ぎ植物を守ります。
また、アリシンとビタミンB1を一緒に摂ると、ビタミンB1がより体内に吸収されやすくなります。ビタミンB1は、エネルギー代謝に必要で、夏バテの改善に効果があります。
食欲をそそる「豚肉のニンニク炒め」等がお勧めです。
ニンニクの仲間にタマネギがあります。タマネギの鱗茎の外の茶色い皮には、ポリフェノールの一種、フラボノイドのケルセチンが多く含まれています。ケルセチンは腸内細菌で変化し、その化合物が肝臓細胞を保護することが報告されています。また、体内脂質を下げる効果がある機能性食品として販売されています。太り気味の人はタマネギの皮 約5g/日を、水1ℓ 位で煮出したお茶を飲んではいかがでしょうか。
なお、タマネギとニンニクに含まれる硫化アリルは、血液をサラサラにして血流を改善するので、動脈硬化の予防につながることがわかっています。タマネギ、ニンニク等をうまく食事に取り入れ、動脈硬化の予防もしてはいかがでしょうか。
この暑さ、10月まで続きそうです。
夏バテ解消には、ニンニク、クコの実、野菜スープ(最強の野菜スープ:前田浩 著 参照)、鍋料理などで、冷えて胃に溜まった水を少し温めて、胃腸を整え、免疫力を普通の状態に保ってください。夏バテを解消しておかないと、冬に風邪を引きやすく、花粉症になる可能性も高いです。
よく噛んで、美味しく楽しく食事をし、一日一回以上は大便(身体からの大きな便り)を出し、良い汗をかき、体に不要なモノは上手に排泄して、まだまだ暑そうな晩夏〜秋を、元気(元の、普通のエネルギー状態)に、お過ごしください。
次回は、10月1日(火)投稿の予定です。よろしくお願いいたします。
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