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第42回  アピオス


今回は「アピオス」です。アピオスを知っていますか? 食べたことがありますか?

アピオスは北アメリカ原産のマメ科のつる性植物です。

マメ科ですが、豆(種子)ができるわけではなく地下茎で増え、土の中にできるイモを食べます。

 

pic1.アピオスの花                                  

 6~9月にかけて、濃厚な香りがする、赤紫色の小さい花が集合して穂状に咲きます。

 

 

pic2.高さ2m位の棚に巻き付いたアピオス全体


 

40年ぐらい前、九州大学農学部の方からアピオスを分けていただきました。

その際、「植えると大変ですよ」と言われました。

確かに、地下部は、地表近くを、間隔をおいて大小の芋が数珠繋ぎに、四方八方に伸びていき、あまり深く掘らなくても収穫できるのですが、掘り返しても芋が残り、駆除が難しいですね。雑草の王様ハマスゲに似ています。


 

pic3.アピオスの花と葉が数珠状の地下茎


 

<名前の由来>

学名は Apios americana Medikus

Americanaは「アメリカの」の意味で、アピオス(Apios)という名は、芋の形が西洋梨に似ていることから、西洋梨の「アピオン(ギリシャ語)」に由来しています。

別名はアメリカホドイモ。インデアンが主食にしていたとされています。元気が出る食べ物だったようです。

日本へは、リンゴの苗がアメリカから青森に導入された際に、苗木の土にアピオスの地下茎が混入しており増えたと言われています。

 

<栄養・機能性>

マメ科植物の大豆、小豆、緑豆などの種子類、アピオス、クズ芋、葛根などの地下部には、タンパク質、ミネラル、ビタミン類、食物繊維の他に、機能性成分のイソフラボノイド類、サポニン類(大豆サポニン)などが含まれています。  

なかでもアピオスには、カルシウム、鉄などのミネラル、ビタミンE、イソフラボノイド類、大豆サポニン類、タンパク質などが多く含まれ、さらに、食物繊維もサツマイモの数倍含みます。

機能性としては、便秘、高血圧、アトピーの改善効果などがあると言われています。

ただ、以下の様にひとつ訂正をしておきます。

あるWebサイトのアピオスの説明に、「薬用人参と同じサポニンが含まれる」との記載がありました。サポニンという群では同じですが、アピオスのサポニンは「ソヤサポニン類(大豆サポニン)」で、薬用人参のサポニンの「ジンセノサイド類」とは、構造も、機能性も異なります。

 

<収穫・食べ方>

アピオスは、地上部が枯れた秋から冬に収穫します。

ただ、すぐに掘り起こさず、気温が下がる冬の間は地中に置いておくと、デンプンが甘い麦芽糖などに分解されるので甘みが増します。

「掘り上げたアピオスの芋の表面は乾燥に弱いので、湿らせた新聞紙に芋を包み、ビニールで保湿し、低温で、カビが生えないよう注意して保存する」と、Webサイトや図鑑などに記載されています。日持ちはしますが、掘りおこしたら早めに食べましょう。その方がずっと美味しいですよ!! 食べる時は、10分ぐらい塩茹でし、皮を剥いて食べると、ホクホクとして芋のような感じでうまいです。エネルギーが高いと言われているので、食べ過ぎないように!! 1日数個くらいにした方が良さそうです。

 

pic4.収穫後、水洗いしたアピオスの球茎


 

pic5.茹でたアピオスの球茎


 

<マメ科の植物>

アピオスのように、マメ科の植物は食品としてとても優秀です。

ネパールでは、ダルスープ(豆スープ)が、カレーに付いてきます。ネパールの友人は、胃腸が弱った時は「グリーンビーンズのスープ(緑豆スープ)」が良いと、教えてくれました。ネパールで胃腸の調子を崩し下痢をした時、ゲストハウスでは、お粥と、緑豆スープ、小粒黒豆、小粒大豆などのスープを作ってくださり、そのお陰で胃腸の調子が整い、体調が戻りました。

韓国でも、何も食べられない時は「皮を除いた緑豆スープ」を飲むと体力が少しずつアップすると言われています。

もし、胃腸の調子を崩し食欲が無くなった時には、ダルスープをお試しください。ダルカレーも美味しいですよ。

 

pic6.ダルスープ(豆スープ)


 

pic7.ネパールのダルカレー(豆カレー)


 

 

次回は、5月7日(火)投稿の予定です。よろしくお願いいたします。

 

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