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第39回  ヤマノイモ(山の芋)


新年早々の能登半島地震、続く航空機事故など、本年は波乱の幕開けとなりましたが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか?

関係の皆様へは、心よりお見舞いを申し上げると共に、一刻も早い被災地復興を願っております。


さて、本年最初のブログは「ヤマノイモ(山の芋)」です。

学名は「Dioscorea japonica」で、ヤマノイモ科のつる性多年草です。


ヤマノイモ(山の芋)とは、以下の総称です。

食用のヤマノイモの栽培種:ナガイモ(長芋)、ヤマトイモ(丸っこい球形を一般的に大和芋と称し、関東ではつくね芋)、イチョウイモ(関東では大和芋)

ナガイモの野生種:ジネンジョ(自然薯)

 

ヤマノイモの肥大した地下部は「担根体(たんこんたい)」と呼ばれ、乾燥した物を山薬(サンヤク)といい生薬です。根でも地下茎でもない、極めて特殊な貯蔵器官です。夏〜秋に、蔓の葉の付け根に球形のムカゴ(零余子)をつけます。

サンヤク(山薬)は、山に産する薬で、里芋は里で採取できる芋、自然薯という呼び名は、山に自生する山芋という意味だそうです。薯蕷(ジョウヨ、ショヨ)は「とろろ」のこと。「薯」も「蕷」もヤマノイモを意味します。

 

ヤマノイモは、生で食べられ、とろろにすると“ネバネバ”が美味。刺身で食べれば“シャキシャキ”とした歯ごたえがいいですね。また、加熱すると“ホクホク”して美味しいですよ。

  

ヤマノイモの雌花(2023年8月5日撮影)


ヤマノイモの雄花(2023年8月5日撮影)


ヤマノイモを「借りている畑」で11月〜12月に収穫しました。大きいのを掘るのに、深さ50〜100cm位、1〜2時間もかかり大変でしたが、食べたら美味しくて、苦労の甲斐がありました。

 

掘り出したヤマノイモ。これで1/2ぐらい。(2023年12月10日撮影)


土を落としたヤマノイモ(2023年12月10日撮影)


掘った穴(pic3.2023年12月10日撮影)

 

ヤマノイモの刺身とトロロの胡麻味噌和え (2023年12月10日撮影)


ヤマノイモ丼(2023年12月10日撮影)

  

紫ヤマノイモ(2023年12月6日撮影)


紫ヤマノイモのとろろ(2023年12月6日撮影)

上に水前寺菜の和え物を添えました。

 

ヤマノイモのムカゴ(2023年10月10日撮影)

直径5〜10mmぐらい、重さは数gです。ムカゴご飯は美味しいです。

 

紫ヤマノイモのムカゴ(2023年11月3日撮影)

大きいのは、直径5cm・重さ100gぐらいあります。来年の種芋に用います。


ムカゴご飯(pic11.2023年10月3日撮影)

庭で収穫したムカゴで「ムカゴご飯」を炊き、畑で収穫した黒ゴマを散らしてみました。

茶碗は、従兄が焼いた備前焼です。


 

ヤマノイモの栄養・効能>

ヤマノイモは、ミネラル、食物繊維が豊富です。また、ぬるぬる成分は、たんぱく質の消化吸収を助けるムチン(糖タンパク質)で、胃の粘膜を保護し、胃潰瘍を改善するなどの効果があります。さらに、デンプンを分解する消化酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)も含みます。消化酵素(タンパク質)や糖タンパク質は加熱に弱いので、とろろ、刺身、和え物等、生で食べるのが良いでしょう。

でも、シュウ酸カルシウムの結晶を含むので、生で食べるとイガイガします。加熱するとイガイガが弱くなるので、皮膚の弱い人は加熱して食べるといいですよ。ただし、加熱すると、ジアスターゼ(アミラーゼ)が、ただのタンパク質に変わるので、よく噛み、ジアスターゼ(アミラーゼ)を含む唾液と混ぜて、消化を助けましょう。

人により、何が良いのか、悪いのかがあります。各人に合った料理や食事をするのがベストです。

 

ヤマノイモの担根体(根茎)の周皮を除き乾燥したものを、生薬の山薬(サンヤク)といいます。山薬は、滋養・強壮などの作用があり、補腎(ほじん)に用いる漢方薬の「六味地黄丸(腎陽虚)」、「八味地黄丸(腎陰虚)」、「牛車腎気丸(腎陰虚で利水)」などに配合されています。漢方薬では、山薬の味は甘、性は平。脾・肺・腎の臓器に作用すると言われています。


                       


<バランスの良い「食」を!>

「食べて元気になる」と言います。

私たちは健康な時、食材を、消化し→ 吸収し→エネルギー(気)に変えます。

胃は車で例えるなら「エンジン」です。胃が元気(普通の状態)でないと、食をうまく消化しエネルギーにできません。

日本は湿気が多い国なので、胃に「水が多く冷えて胃の弱い」人が多いです。

また、胃が「炎症で熱があり弱る」人もいます。

どちらの胃も働きが弱く、消化が悪いです。それぞれに食材を考えないといけません。

胃の弱い人は、まずよく噛んでください。食の細い高齢者には、胃での消化が良いスープがいいでしょう。とはいえ、認知症の予防になるので「よく噛む」ことも必要です。柔らかいモノででも、よく噛むチャレンジをしてください。

食材には、温める(温)、冷やす(寒)があります。胃が冷えている人は、主に温める食材を、胃に炎症のある人は、主に冷やす食材を利用するのが良いでしょう。

 

台湾企業誘致で、熊本は台湾ブームです。とくに台湾グルメも過熱しています。台湾は暑い国、身体に熱が溜まるので、清熱(冷やす)の料理が多いです。胃が冷えて弱い人は、清熱効果がある台湾料理の食べ過ぎにはご注意ください。

 

ところで、大量に地下水を使う台湾企業の工場が菊陽町の大地に建っています。台湾グルメも気がかりですが、美味しいと言われる「熊本市民の上水道(湧水)」の汚染や枯渇が10年後も大丈夫なのかな?心配です。

 

冬は、緑黄色野菜(葉物野菜)を沢山食べ(例えば野菜スープ等で)、フラボノイドを摂取し、花粉症を予防してください。

寒さで筋肉が硬直し、何となく疲れが溜まる季節。胃腸を労わり、家の中でも運動したり、たまに滋養・強壮のあるモノを「よく噛んで」食べ、免疫力を落とさないように、元気(普通のエネルギー状態)でお過ごしください。

 

今年も健やかに、美味しく飲食を!! 2024年もよろしくお願いいたします。



 



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