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第32回  ワラビが「有毒植物」って知っていますか?

更新日:2023年5月30日


3月末から5月の初めにかけて、草原などでは「ワラビ」がニョッコリと顔を出します。

ワラビはコバノイシカグマ科、シダ植物の1種で、春を楽しませてくれる人気の山菜です。

先がポキリと折れる柔らかいものを食用にします。ワラビの新芽は美味しいですね。

また、根茎からは「デンプン(わらびデンプン)」が得られ「わらび餅」などの菓子に利用されます。ただ、現在「わらび餅の主原料デンプン」は、安価なサツマイモデンプン、タピオカデンプン等が利用されているようです。


左:ワラビ 新芽&開きかけ  右:ワラビ 若芽


ワラビの葉


1パック86円のわらび餅(2023年5月26日撮影)

20%引きの69円で購入。「本わらび粉」だったら安すぎるな!?と思ったら、主原料は「寒天」そして「本わらび粉/加工でん粉」と記載されていました。


●重要なワラビの前処理


ワラビを食べるには、前処理が重要です。

ワラビをあく抜きせずに生で食べると、苦みやえぐみが強く、そのため、吐き気、下痢や腹痛などを起こすことがあります。

また、ワラビに含まれる水溶性の成分「プタキロサイド」は、動物実験で「発がん性」が、証明されています。

ワラビの「発がん性物質」を弱毒化するための前処理、加熱をすることで有毒化合物を分解し、アルカリ性になると、「発がん性」がほとんど無くなると言われています。


家畜では、「牛のワラビ中毒は、短期間に大量に生のワラビを食べた急性中毒で、骨髄の造血機能低下と全身粘膜の出血を特徴とする症状を起こし、発症後数日以内に死亡する。慢性中毒は、膀胱に腫瘍(ガン)に、血尿が出るのが特徴的。馬のワラビ中毒では多発性神経炎、起立不能や痙攣などを起こす」との報告があります。

多くの植物は、「抗腫瘍(抗がん)活性」と「発がん性」の両方の成分を含んでいます。

また、私たちの体内では、毎日「がん細胞」が5,000個ぐらい出来ているとも言われ、それらの細胞を「免疫細胞」が、排除してくれています。免疫細胞は凄い!!

そのおかげで「がん」になる確率が低くなるわけですが、日本人では2人に1人(50%)が、「がん」になるとの統計があります。「がん」と判っていない人を含めると、もっと確率は高いかもしれません。


「発癌」は、すぐに発症する「中毒(食中毒)」と違い、10年以上も後から発症します。でも、その時には、ワラビのせいなのか?何のせいなのかは判りませんが・・・。

とにかくワラビを食べる時には、絶対に前処理が必要です。上手く前処理をしてください。


●ガンの予防


ガンの予防には、いろいろな食材を満遍なく食べることが大事だと思います。

ただ、発がん性のある食品、例えば、添加物、焦げた肉等々は、極力避け、食べないようお気をつけください。天然物由来成分表示にも注意が必要です。天然物ならなんでも安全なのか疑問です。また、ストレスは免疫力を下げます。ストレスの少ない生活をお送りください。


●有毒植物、魚、キノコを安全に食べるために


1.前処理をきちんとすること。


2.前処理して食べる植物(食品)


ナス科植物:ジャガイモの芽の根元や緑の果肉。ナスやトマトは品種改良で毒性が減っていますが、ジャガイモの毒成分は加熱では減毒しません。水に溶けやすいのでカットして水に晒します。(ジャガイモの芽、緑になったジャガイモは食べないこと。)


マメ科植物:大豆、白花豆などの豆類は、加熱して食べましょう。


サトイモ科植物:サトイモ、コンニャクなどは、加熱して食べましょう。


モロヘイヤ:種子は絶対に食べないように。加熱しても無毒化しません。


バラ科の果実と未熟な果肉:ウメ、アンズ、モモなど。種子(仁)にも毒があります。細胞をつぶす(壊す)と、酵素で毒が分解され、毒性が減少します。


ソテツの実、材:鹿児島の島々や沖縄では、味噌などを作り食用にします。細胞をつぶす(壊す)と、酵素で毒が分解され、毒性が減少します。


魚/フグの仲間:血液、肝臓などに毒があり、加熱しても分解されません。


魚/ウナギ、アナゴ、ハモなど:生の血液に毒がありますが、タンパク質の毒なので、加熱すると毒性はなくなります。


キノコ/シイタケ:生、生焼けで、痒みなどの皮膚炎が出ることがあります。また、乾燥したものや粉末でも、よく加熱しないと皮膚炎を起こすことがあります。


キノコ/マイタケ、シメジなどのキノコ類:生で食べると、嘔吐下痢、皮膚炎などを起こすことがあり、よく加熱して食べましょう。


昔の人々の、多くのトラブルなどの経験を元にして、現在の食品の前処理があります。

どのような化合物による中毒かを理解し、上手に前処理を行ってください。


ストレスを少なくし、そして、胃の調子を整え、満遍なくいろいろな物を食べ、よく噛み、会話をしながら、食事を楽しんでください。

食べることは生きること。食品は命の元、体の細胞の元ですので。



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