第26回 悪者が良者に “セイタカアワダチソウ”
- TAMTAM
- 2022年10月25日
- 読了時間: 6分

セイタカアワダチソウの季節がやってきました。
セイタカアワダチソウが、南阿蘇の草原や阿蘇の畑の畔で群れをなし黄金色に輝いています。
セイタカアワダチソウ(背高泡立草)は、キク科アキノキリンソウ属の多年草で、帰化植物です。1897年頃、観賞用やミツバチの蜜源として北アメリカから日本に入り、戦後、野生化し、日本中で繁茂しています。都会の空き地などでもよく見かけますね

セイタカアワダチソウの花と阿蘇の根子岳

セイタカアワダチソウ 左:花 / 右:蕾
<セイタカアワダチソウの繁殖力>
セイタカアワダチソウは、すさまじい勢いで増えますが、10年ほど前に急に見なくなりました。ただ、ここ数年で、また増えてきています。本当に繁殖力が旺盛で、「日本の侵略的外来種ワースト100:外来生物法で要注意外来生物」に指定されています。

阿蘇の道端の繁殖力旺盛なセイタカアワダチソウ
<誤解されていたセイタカアワダチソウ>
セイタカアワダチソウは、秋の花粉症の原因植物として誤解され、繁殖力が強いこともあり、厄介者扱いされていた植物です。でも本当は、虫媒花で花粉の飛散がほとんどなく、花粉は比較的重く飛びにくいため、花粉症とは無関係だと、今は、花粉症については問題にされていません。ただ、酷い花粉症の人にとっては、虫媒花の花粉などでも、全ての花粉が問題です。
以下の写真は、オオブタクサです。セイタカアワダチソウが花粉症の原因と誤解されていた一因に、「ブタクサに似ているから」という説があります。でも、この写真で見る限りは似ていないですよね?!

左:セイタカアワダチソウ&オオブタクサ : 似ているのは、背の高さくらいかな?
右:オオブタクサの実
「背高泡立草」の名の由来は、同じ属のアキノキリンソウ、別名「アワダチソウ」よりも草丈が高いことによるそうです。

南阿蘇の草原のススキより草丈が高いセイタカアワダチソウ
南阿蘇の草原でもセイタカアワダチソウがススキを押し退けて増えてきています。 自然破壊にもつながるので駆除が必須ですが、なかなか厄介です。根こそぎ抜いていくしか方法はなく、50人で30分、草抜きをしましたが、10m四方位がやっとでした。太いものは根が深くひっこ抜くのはとても大変で、茎を折るしかありません。

セイタカアワダチソウに阿蘇の畑の畔を席捲されているススキ
<セイタカアワダチソウは有用植物>
厄介者のイメージが強いセイタカアワダチソウですが、実は、大変役に立つ「有用植物」です。
■ 薬用に
蕾の時の花穂で浴湯するとアトピー性皮膚炎が改善をすると、草原再生の草集めに行った時に、実際に利用している方がいると仲間が教えてくれました。アトピー性皮膚炎を改善するためにセイタカアワダチソウを利用するとのホームページもあるそうです。
ヨーロッパでは、つぶした葉を、虫刺され、怪我の止血に外用で用いているそうです。
また、北アメリカ大陸の先住民が生薬として、整腸、風邪、怪我の改善に、民間薬として利用していたようです。
■ 食用に
花&蕾を、白和物、ケーキ、パン、パウンドケーキ等に。
セイタカアワダチソウのペーストを加えたパウンドケーキは、焼いて12時間ほど置いてから食べると絶品だそうですよ。ぜひ、お試しを!! 作り方は、ネットで調べてください。
■ 染色に
花だけを用い布地を染めます。アルミ媒染液を用いると黄色に、鉄媒染液を用いると緑色に染まります。
■ お茶に
花から作られるお茶は、下痢、痛み、発熱を改善する作用があるといわれています。
セイタカアワダチソウって万能植物!?
■ 植物の成長抑制に
他の植物の成長を抑制する作用(アレロパシー効果)で、繁茂します。逆に、増えすぎると自滅もします。
繁殖力が旺盛すぎる厄介者のイメージ、払拭されたでしょうか?こんなにいろいろと良いことに利用されています。
ここまでお読みくださった皆さんは、「セイタカアワダチソウが秋の花粉症の原因」という誤解を解いてくださっていますよね?
ところで、そろそろ春の花粉症の心配を始めませんか?
春の花粉症の主な原因は「スギ、ヒノキ等の花粉」。今年はスギ花粉が多いそうです。今から花粉症に備えてはいかがでしょうか。
これからの季節、緑黄色野菜を積極的に食べてフラボノイド類を多めに摂ると、花粉症のシーズンに症状が酷くならない可能性があります。お試しください。
また、無農薬のみかん類の皮、特に、カラタチ、スダチ、ユズ、温州みかんなどの未熟果実(なるべく果肉が小さい方が良いです)を輪切りにして乾燥、お茶にして飲むと、少し症状が改善されます。時間をかけてゆっくりと身体の不調や体質の改善をしながら症状を回復することが期待できます。薬と違いハーブティー等は、即効性は無いと思われがちですが、意外と即効性もありますよ。今からなら間に合います。どうぞ試してみてください。
さて、最近、マスク着用についての政府の考え方が、少しゆるくなりました。 以下は10月23日の厚生労働省のツイートです。皆さんはどうお考えですか

マスク無しで生活するのは楽ですが、これからの季節「インフルエンザ」と「新型コロナウイルス」にダブルで感染する可能性が大きくなってきます。 マスク着用は感染対策として、やはり重要だと思います。
また、マスク着用の他にも、ウイルスから自分を守るため、下記の様な生活習慣をぜひ、心がけてみてください。
■「唾液で抗ウイルス」を
唾液には、口に入ってくるウイルスや細菌などの病原体に対する防御因子が含まれており、感染症の予防や全身の健康維持に重要な役割を果たします。「あいうべ〜〜体操」で、唾液を増やしましょう。

■「渋茶ウガイで抗ウイルス」を
お茶に含まれるカテキン類がウイルスを不活化する(感染能力を失わせる)ことや、細胞への感染能力を低下させる効果などが確認されています。
■「腸を整える食事」を
発酵食品や食物繊維、サツマイモを、毎日50g位食べるように意識しましょう。
■「適度な運動」を
①「1日8,000歩・速歩き20分」これが目安です。
運動のやりすぎはNGです。膝や股関節を痛めたりします。
②軽い運動は「骨粗鬆症」になるのを防ぎます。
・家の掃除で全身運動。掃除をしながらリフレッシュ!ラジオ体操もいいですね。
・家から出るのが嫌な時は、階段や家の中の段差を利用して「踏み台昇降」をしてみては。
右足から上がる、左足から上がる、を交互に各10回×2〜3回/日位が目安です。
・骨はカルシウムとたんぱく質の1種であるコラーゲンからできています。肉(タンパク質)も積極的に食べましょう。
・サプリでなくてもカリシウムを安価に摂取できますよ。
カルシウムとコラーゲンをたくさん含んでいる雑魚を積極的に摂りましょう。雑魚のカルシウムの吸収をUPする「太陽光に当てた椎茸の粉末(ビタミンD)&緑黄色野菜(ビタミンK)」を、食事で多めに摂るといいですね。
■「ストレスを溜めない生活」を
ストレスの多い毎日、巧くストレスを解消し心身のバランスを平常に保ちましょう。
家で、一人カラオケ、詩吟、大声で悪口を言ってみるのもいいですね。(笑)
笑いはストレス解消の妙薬です!!
免疫力を高め、心身のバランスを崩さないよう、健やかに元気で、少しでも楽しいと思える生活を送ってください。
皆さまのご健康をお祈りいたします。
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