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第4回 碁盤・将棋盤の脚を見てください。

TAMTAM

「三大香木」をご存知ですか? 春のジンチョウゲ(沈丁花)、秋はキンモクセイ(金木犀)そして、今回ご紹介する、夏のクチナシ(梔子)を併せて、「三大香木」と言われています。クチナシはアカネ科の常緑低木で、初夏に甘く香りいい白い花を咲かせます。本州西部、四国、九州に自生しますが、花つきがよく、芳香があるので庭によく植えられている園芸種です。庭木として栽培されているクチナシの花は大振りですが、あまり実はつけません。私の住む熊本には、クチナシより小振りな肥後八重クチナシが自生していましたが、現在、野生種はありません。



順に

クチナシの花

肥後八重クチナシ



クチナシの名の由来 


クチナシの名の由来ですが、秋に実が橙色に熟れても口が開かないため「クチナシ(口無し)」と呼ばれています。その名にまつわるエピソードをひとつ。

宮崎の伝統工芸展での事。碁盤を作っている方に、脚の形が「クチナシの実に似ていますね?」とお訊ねしました。「そうですね。勝負に集中するために『横やりを入れるな、口を出すな』との意を込めてクチナシの実が象られています」と教えて頂きました。脚と盤とのバランスのとり方が非常にむずかしく、クチナシの実を模した脚部を手彫りする職人さんは、今日では大変珍しいとのことです。

クチナシの実


碁盤と脚 (写真提供:熊須碁盤店)


クチナシの効用


クチナシは梅雨から初夏にかけ花を咲かせ、甘い香りを漂わせます。11月には果実が橙色に熟れ、この実を乾燥させ、黄色の植物色素として食品に用いられています。香りは異なりますが、「サフランの柱頭(雌蕊)」と同じクロシンという色素成分です。サフランは西洋で、クチナシは東洋で、天然色素として古くから用いられ、大分県臼杵では、クチナシご飯(黄飯)に、一般的にはおせち料理の栗きんとんに用いられ黄金色の美味しい色がつきますね。また布地を染める染料としても利用されています。


漢方では、乾燥した果実を「山梔子(さんしし)」と言い、性質:涼、味:苦、効果:消炎、止血、鎮痛・鎮静等で、私が利用している黄蓮解毒湯 (おうれんげどくとう)等に処方されています。酒を飲み過ぎ、又、食中毒で下痢をしたときは、五苓散(ごれいさん)を足して、逆上せ(のぼせ)等には頓服で「黄蓮解毒湯(丸)」を利用しています。

ストレスが溜まると肝が弱ります。酒が旨くない!? そんな時には黄蓮解毒湯を頓服で服用してください。酒を飲んでイビキをかく人にも「黄蓮解毒湯」は効果がありますよ。お試し下さい。

※頓服:決められた時に薬を飲むのではなく、症状が出て必要になった時に薬を飲むこと。


今年は、我が家の庭のクチナシは、5月末に早々に咲きだしました。すでに、小さな実を付けています。実が熟れると、毎日ピ〜〜ピ〜〜うるさく鳴くヒヨドリの餌になってしまいます。他にも、松脂臭(まつやにしゅう)がするヤマモモの実、サクランボ、枇杷もヒヨドリの餌となるので、人間が、鳥(自然)に負けないよう、もっと早起きしないとね。










 
 
 

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